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技術力(特許)

実現を裏付ける技術力、特許について

研究者が発表するのは論文ですが、技術者が表現するものは特許になります。特許がある意味、技術レベルを評価する上での指標になると考えます。これまでテレビの伝送関連で特許を申請し、いくつかは取得しています。以下、伝送関連の特許を説明します。

特許第5127813号(特願2009-267514)

放送信号伝送システム、送信装置、受信装置、および放送信号伝送方法

この特許はISDB-T変調器の中身を2分割すると転送レートが放送TSと同程度で伝送できるという発想から生まれました。送信側では変調したIQデータ列をIP伝送します。受信側ではIP受信してIFFT処理し、ガードインターバルを付加してアップコンします。特徴は伝送するIQデータは34Mbps程度に抑えられること、再変調部分の回路が小さくなること、そして一番の特徴は伝送遅延を最小限に抑えることができます。以下がその機能ブロックになります。


送信側は受信してIQ分離していますが、変調器の中身を分離したものと同等になります。受信側はIQデータを符号化してネットワークで伝送します。

特許第6569759号(特願2018-047308)

ストリーム配信システムおよびストリーム配信方法

この特許はデータ放送を使ってIPストリームを選択し、それを変調することで多チャンネル選局を可能にするものです。ARIB規格に準拠した特許になります。今回の提案の前身になります。この方法で選局は簡単になりますが、データ放送を選局手段に使うため、一般放送をデータ放送つきでは選局できなくなります。あくまでも自主放送程度を選局するものになります。以下がその構成図になります。


IP/RF変換ユニットに切り替え機能を実装して、データ放送から指定されるIPアドレスとポート番号に従ってマルチキャストのジョイン/リーブを決定する。ARIB規格に準拠しています。

特願2019-127436

動画変換装置、動画変換装置の制御プログラムおよび放送番組生成方法

この特許はHTML5ブラウザ、動画再生機能、MPEG2-HDエンコーダ+変調機能を内蔵した動画変換装置に関するものです。ネット接続して動画再生したものを地デジRFに変換して、テレビに送出します。このとき、データ放送を使ってテレビ上にカーソル表示させます。そのカーソルを選択方法として使い、複数の動画ソースの一つを選択させます。そういった方法を使うことで、テレビのチャンネルボタンから起動を掛けて、WEBブラウザをキック、動画配信を選択するようにしたものです。

以下にそのシステム構成を記載します。イメージとしてはアベマTVをテレビのリモコンで選局するような具合です。別売のリモコンは不要で、テレビから直接、アベマTVが選択できます。アベマTVの代わりにYouTubeなども選択できます。

動画変換装置を含めたシステム構成図を以下に記載します。


動画変換装置にはブラウザ、動画再生、エンコーダ、変調器を内蔵しています。テレビリモコンだけで選択できるというのが大きな特徴です。ARIB規格に準拠しています。

特願2019-226576

IP-RF変換装置およびIP-RF変換方法

この特許は既存のテレビを広域マルチキャストIP網に接続する変換装置と変換方法に関するものです。4K地デジ放送 2K地デジ放送 BS・CS110右旋/左旋放送 の全ての受信を可能にします。また、STBなしでCATV事業が実現できる機能も実装できます。新しく放送事業を行いたいと考える人々にとって、最適解を提供します。

これまで、テレビのチューナは周波数帯域ごとにチャンネルが割り当てられたものを選択しました。これではチャンネルが増えると帯域も増えるという悪循環に陥りました。高度BSの4K放送はBS左旋周波数を使います。これが通るケーブルは今の家庭にはありません。

この特許はその問題を一挙に解決するものです。すなわち、新しいチャンネルのために新しい帯域を割り当てるという方法を使いません。その具体的手段ですが、広域マルチキャスト網に接続するIP-RF変換装置を使います。

この変換装置には8CHのIP接続可能な地デジ変調器を実装しています。この地デジチャンネルは家庭にあるそれぞれのテレビに1対1でつながります。一般家庭のテレビは平均2.6台、ブルーレイを含めても8本のチャンネルを同時に使うことはないと考えます。この8本のチャンネルでこれまでの全ての放送、新規の4K放送、コミュニティチャンネルなどを伝送します。ただし、その選択にはテレビのLAN端子を使います。

テレビの規格を少しだけ変更し、地デジ・BS・CS放送を選択する場合、これまではチューナの周波数を変更していたものを、常に地デジチャンネルにチューニングして、IP接続を切り替えるという方法を使います。以下、それを実現するユニットのブロック図を記載します。

本件に関するご意見・お問い合わせ

「4K IP接続テレビ」の実現に向けた提言に関して、みなさまの率直なご意見をお待ちしております。また、提案した方式へのご賛同やARIBへの規格化等、お気軽にお問い合わせください。