メリットと課題
「4K IP接続テレビ」のメリットと課題について
● メリット
- 地デジ・BS・CS放送をIPで受信
- 地デジケーブルで全帯域をカバー
- 複数台のテレビ、DVDレコーダをサポート
- テレビリモコンだけで操作
- テレビ側は最小限のソフトウエア改修で対応
- 4K対応テレビであれば、4K再生も可能
- 新規チャンネル登録は自由
● 実現へ向けた課題
- IP-RF変換器が必要
パイプチャンネル方式を採用したIP-RF変換器については、具体的手段をご参照ください。
- 既存テレビのソフトウエア改修
既存テレビの改修はIP-RF変換装置の設置時に自動で実施されます。その手順ですが、配線完了で既存テレビのネットワーク設定を行った後、初期サーチを行い、テレビ情報をデータ放送を使って取得します。改修可能で、かつ、改修されていない場合、SDTTパケットを使って自動改修します。改修が完了すると一度電源ボタンを落として、次のテレビを同様に改修します。新規テレビは規格対応を行っているため、問題なく動作します。
- ARIB規格への追加が必要
今回の提案はARIB規格の変更が必要になります。チューナ制御と4K地デジ受信の2つです。現実的な対応としては、アナログからデジタルになったときに比べるとかなりマイナーな改修で済みます。規格を定め、通信プロトコルスタックとチューナ制御ソフトを追加し、SDTTを使って新しい方式を追加したソフトウエアをダウンロードするだけです。テレビにIP-RF変換器が接続されると自動でダウンロードが開始されるようにします。
LAN経由のIPTVと本提案の比較
最新のテレビはANDOROID TV OS、Firefox TV OS などが実装されており、ここにIPTVで使用するRTPプロトコルを適用し、ソフトウエアデコードでアプリの作成が可能です。この場合、通常のSVODと同程度の負荷だと想像できます。
一番の問題は、トランスポートストリームに地デジなどで使っているBCAS処理、あるいは、最新の衛星放送で使っているACAS処理を実装するには無理があることです。以下、LAN経由でIP接続して処理する場合と新規提案の比較表を列記します。
LANを使ってIPTV機能を実装する場合の問題
|
項目 |
IPTV |
新規提案 |
1 |
ACAS/BCAS処理で使うマルチ2デコードの対応 |
× |
○ |
2 |
複数ストリームの受信(裏番組の録画など 4K 2本など) |
△ |
○ |
3 |
2022-1/2 FEC処理 |
△ |
○ |
4 |
IP接続時の視聴制限機能 – CATVなどで使用 |
× |
○ |
5 |
やや旧式テレビでの実現 |
× |
○ |
6 |
どのテレビにも対応 |
△ |
○ |
LAN経由でIP接続するテレビを実現する場合は、本提案に比べていろいろな問題があります。
「4K IP接続テレビ」の実現に向けた提言に関して、みなさまの率直なご意見をお待ちしております。また、提案した方式へのご賛同やARIBへの規格化等、お気軽にお問い合わせください。