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基本構想

我々が目指す「4K IP接続テレビ」の世界は、大きく分けて以下の4つになります。それぞれの基本構想をご紹介いたします。

(1)4Kデジタル放送の開局

これまで、民放地デジ局にとって4K放送は無理な話でした。また、民放以外の新規参入する放送局にとっても4K放送は不可能と思われています。しかし、実は今回提案する方法を使えば、難しくなく実現可能です。もちろん、4K放送を受信できるチューナ内蔵のテレビに送信するという前提です。
以下の図がその実現手段です。


この提案では地デジ放送局は4K映像をIP伝送します。その場合の最大伝送レート=22.551Mbps(13セグ、MODE3 64QAM GI=1/16 CC=7/8)を使います。以前の4Kの圧縮には25Mbps程度を必要としましたが、最新のエンコーダを使うと20Mbpsでも十分可能となりました(ハーモニック製エンコーダなど)。

4KのTSをIP伝送し、最終的にIP-RF変換装置で地デジ変調すれば、新しい4Kテレビで受信は可能です。ただし、4Kテレビのチューナ規格を高度BSで使っているTLV形式のMMT 4Kから普通のTSでも受信できるようにする必要はあります。
CATV局もこの方式を採用するのであれば、4K放送が可能です。

(2)STB不用のCATVシステムの実現

CATVは、これまでCATV-STBを使うのが基本条件でした。しかし、これではユーザの利便性が著しく阻害されます。そのため、STBなしのCATVシステムを構築することは大きな夢でした。実はCATV局から伝送されるTSストリームは2つの暗号を使ってスクランブルされます。一つは伝統的なMULTI2スクランブルです。これは地デジ放送で使われている暗号で、同様のスクランブルがCATV局から送出されるときに掛けられます。次にCATV局からIP-RF変換装置まではネットワーク上でスクランブルがかかります。このIPスクランブルには、最新の暗号を使います。


CATV局ではこの二つのスクランブルを掛けて出力します。IP-RF変換装置までは両方のスクランブルがかかっていますが、最終的にIPスクランブルが解かれないとテレビでは視聴はできません。ここにCATVの視聴制限機能を実装します。すなわち、視聴制限を解除するか禁止するかをIP-RF変換装置に実装することで、これまでのようなSTBに実装していた機能と同等のことを実現するのです。IP-RF変換装置の変調信号はテレビに伝送されるので、テレビリモコンだけで視聴が可能になります。

(3)各地域の防災放送の伝送

各地域の河川の監視カメラ映像はHTMLブラウザを使って視聴することができます。ところが、災害当日になるとアクセスが増え、全く視聴できない経験を持ったのは私だけではないでしょう。その理由は、ユニキャストでアクセスするとサーバがパンクしてしまうからです。結果として、ブラウザアクセスは意味を成さないことになります。

上記を鑑みて、各地の監視カメラ映像などはまとめて動画編集し、それを本方式でIP伝送して、テレビで視聴するのが最適になります。こういった災害情報を伝送する代わりにIP伝送にかかる従量課金を軽減する方式が望まれます。


(注:神奈川県雨量水位情報から引用

(4)現行放送のサポート

現状の2K地デジ放送、BS放送、CS110度放送、最新の4KBS放送については、同等レベルの画質を保証して伝送します。

本件に関するご意見・お問い合わせ

「4K IP接続テレビ」の実現に向けた提言に関して、みなさまの率直なご意見をお待ちしております。また、提案した方式へのご賛同やARIBへの規格化等、お気軽にお問い合わせください。